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広島から核軍縮「再起動」 岸田氏 外相会合で宣言へ

 岸田文雄外相=写真=は30日、中国新聞のインタビューに応じ、4月10、11日に広島市である外相会合で、停滞する核軍縮・不拡散への取り組みの「再起動」を訴える文書「広島宣言」を発表したい考えを明らかにした。「核兵器のない世界に向けた機運を再び盛り上げ、結果につなげるメッセージにしたい」としている。(田中美千子)

 岸田氏は、昨年5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議が決裂したことなどを踏まえ、核兵器保有国と非保有国の対立が深刻化しているとし「現状に危機感を持ち、反転攻勢に出ようとの簡潔で力強いメッセージを出したい」と述べた。保有国の米国、英国、フランスが参加することを念頭に「保有、非保有の双方の主要国が集まる枠組みから発することができれば意味がある」と意義を強調した。

 テロ対策が重要課題になるとし、根本的な解決には「過激主義に走らない安定した社会をつくる必要がある」と指摘。日本の役割として、各国の開発への協力や人道支援を訴える方針を示した。核実験や弾道ミサイル発射を続ける北朝鮮についても「国際社会の共通の脅威。しっかりしたメッセージを発する」とした。

 「広島の歴史、文化、自然にも触れてほしい」とし、廿日市市宮島町の厳島神社視察を関連行事に組み込む方向で調整していることも明らかにした。原爆慰霊碑(中区)などの訪問については「被爆の実相に触れてもらうことは大事との考え方で日程を組みたい」と述べるにとどめた。

(2016年3月31日朝刊掲載)

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