×

ニュース

東日本大震災きょう1年 仙台出身者呼び掛け 写真5000枚 思い出修復 メンバーを募り周南で洗浄活動

 周南市緑町の独立行政法人職員大工智彦さん(34)が、東日本大震災で泥まみれになった写真を洗って修復するボランティア活動に取り組んでいる。インターネットを通じて仲間も募り、これまで計5千枚を洗浄。10日も、周南市の施設に12人が集まった。

 津波被害が大きかった岩手県陸前高田市。がれきから見つかった写真は所有者もほとんど分からず、泥がこびりついたままのものもある。だが、所有者にとっては結婚式や旅行のシーン、子どもの姿など、掛け替えのない人生の証しだ。

 一枚一枚を丁寧に手洗いして乾かし、アルバムに収めて被災地に送り返す。写真は洗い過ぎれば白く消えてしまう可能性もあるため「どこまできれいにするか」に気を配る。

 仙台市出身。昨年5~9月に宮城県でがれき撤去などのボランティア活動をした。そのとき写真洗浄の活動に取り組むメンバーに出会った。現地に何度も行くのは金銭的にも体力的にも厳しい。「これなら周南市でも被災者の力になれる」と、取り組みを始めた。

 「あらいぐま作戦」と命名し、ネットを通じて仲間も募集。10月から計15回開き、毎回10~20人が参加した。広島県や福岡県など遠方から訪れる人もいる。

 大工さんは「被災地から離れた周南市でも多くの仲間と取り組める。思い出が詰まった写真を少しでもきれいにして被災地を勇気づけたい」と笑顔を見せる。(上木崇達)

(2012年3月12日朝刊掲載)

年別アーカイブ