×

ニュース

被爆者「核廃絶へ成果を」 7ヵ国外相 平和公園訪問へ 証言聴く場 要望も 広島

 広島市で10、11両日にある外相会合に参加する外相がそろって原爆資料館(中区)を訪れ、原爆慰霊碑に献花することが2日、正式に発表された。核兵器保有国を含めた現職外相の訪問に、広島の被爆者からは、歓迎と、核兵器廃絶への成果を求める声が上がった。(水川恭輔)

 「7カ国の外相たちが、『二度と繰り返してはならない』と共通した認識を持ち帰ってほしい」。広島県被団協(坪井直理事長)の箕牧(みまき)智之副理事長(74)は力を込めた。

 資料館には中身が黒焦げになった弁当箱や、ぼろぼろの学生服などの遺品が並ぶ。「一人の人間として素直な気持ちで見れば、核兵器廃絶の必要性を心から感じるはずだ」

 もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(71)も「被害の実態を見て、段階的な軍縮ではなく、禁止条約締結への交渉が急務だと分かってほしい」と望んだ。

 「被爆者は高齢化している。外相が肉声の証言を聴ける最後の機会かもしれない」。国内外で証言を続ける被爆者の岡田恵美子さん(79)=東区=は、外相らが被爆体験を直接聴く場を設けるよう要望した。「家族を奪われた悲しみや健康被害の苦しみを聴き、非人道性を実感してほしい」と話した。

(2016年4月3日朝刊掲載)

年別アーカイブ