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復興応援高らかに 3県人会招き音楽公演 広島市商高に「長崎の鐘」届く

 東日本大震災の発生から1年を前にした10日、広島市内で復興支援の取り組みの輪が広がった。主催者や参加者は「あの日」をあらためて胸に刻み、被災地にエールを送った。(胡子洋、野田華奈子、新本恭子)

 南区の区民文化センターでは、地元の音楽愛好家でつくる実行委員会がチャリティーコンサート「東日本エイド」を開いた。震災以降、3回目。これまで収益金約215万円を被災地に届けている。

 福島、宮城、岩手の県人会も共催し、舞台に立った。広島宮城県人会は歌詞に被災地名が入った「虹を架けよう」を合唱し、約500人の聴衆と故郷に思いをはせた。

 東北地方の民謡を披露したのは、ひろしま福島県人会の島田兵二会長(74)=安芸区。「復興は始まったばかり。被爆地広島ならではの熱い思いに感謝している」と話した。

 東区の市立広島商高では、犠牲者の冥福を祈る鐘の音が響いた。平和交流を続ける姉妹校の長崎市立長崎商高の生徒が同校を訪ね、平和の象徴で知られる「長崎の鐘」を模して作った鐘を贈った。

 広島商高2年の生徒会長村田真弓さん(17)が鐘を鳴らし、同校の6人と長崎商高2年の田崎真央さん(17)たち3人が黙とう。村田さんは「被災地を忘れず、平和の実現に努力したい」と感謝し、田崎さんも「復興が進んでほしい」と願った。

 西区の三滝グリーンチャペルには、宮城県石巻市出身の小田尚さん(45)=佐伯区=の呼び掛けに応じたアマチュアミュージシャン17組が集結。約100人が癒やしのメロディーに聞き入った。

 小田さんは昨年8月に帰郷。津波にさらわれた古里を見てチャリティーコンサートを企画した。この日は石巻市から帰る列車で作った歌を披露。「支援の思いを今後もつないでいけるよう、行動していく」と話した。

 中区のアリスガーデンでは、被災地応援メッセージを大声で叫ぶイベントがあった。出場した25組は「フレーフレー東北」「支え合って生きていこう」などと激励。広島中央通商店街振興組合が主催した。

(2012年3月12日朝刊掲載)

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