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英国 フィリップ・ハモンド外相 インタビュー全文

質問)大臣自身の広島訪問の回数(「初めて」「3回目」など)。過去に来られた方は、時期やその時の印象もお教え下さい。
回答)広島を訪れるのは、今回が初めてになります。前回は一月に日本に行きましたが、その時は、首都圏以外を訪れる機会がありませんでした。北朝鮮が最後に核実験を行った数日後のことでした。我々がこの地域で直面している安全保障問題、そして、その問題に共に取り組む必要性を改めて認識させられる出来事でした。

質問)今回の広島訪問の際に経験したいことは。
回答)広島でのG7会合は、我々が直面している最大の問題のいくつかに、どのように共に立ち向かえばよいのかを議論する重要な機会となるでしょう。広島で開かれることで、この会合には新たな意味が加わるでしょう。岸田外相から、さらに詳しく彼の故郷の歴史について聞き、広島の人々が第二次世界大戦後に見事に立ち上がって自分たちの街を取り戻し、再建した方法を直接知る機会になるでしょう。

質問)今回の外相会合に期待することは。特に、国際平和に向けて議論したい解決策は。
回答)国際平和と安全保障に関する非常に切迫した問題のいくつかについて、G7パートナーと率直に、また詳細にわたって話すのを楽しみにしています。具体的に言えば、東ウクライナで進行している事態や、東アジアにおける様々な安全保障問題、地球規模の安全保障問題へのテロによる差し迫った脅威などです。これらの問題に対処するには、身近な問題を明確に理解し、パートナー同士が十分に意思疎通し、行動を起こす確固たる決意を持っていなくてはなりません。岸田外相と外務省関係者の皆様が、素晴らしい会合を開催してそのような機会を提供してくださり、我々が多くの重要なテーマについて共通の立場で合意できるであろうと確信しています。

質問)特に、国際平和に向けて議論したい課題は。
回答)前述のテーマに加え、我々が取り上げられるよう期待しているとりわけ重要な問題は、シリア情勢とそれに関連する危機的な移民問題です。2016年にロンドンで「シリア危機に関する支援会合」が開催されましたが、国際社会のすべてのメンバーが、その会議で表明した公約を早急に遂行することが必要不可欠です。

質問)国際平和に向けて議論したい解決策は。
回答)これらのテーマについて、英国の立場は明確です。私は平和を推進する最善の方法について、G7のパートナーと議論することを楽しみにしています。G7は、平和に到達するための障害克服において重要なグループであり、私は今後もG7のパートナーと対話を続けることを楽しみにしています。

質問)大臣は「核兵器なき世界」に賛同されますか。どうすれば実現できると思われますか。
回答)はい、賛同します。我々は、NPT条約における義務に従い、昨年の「戦略防衛・安全保障見直し」で核兵器なき世界という長期的な目標への取り組みを再開しました。我々は、冷戦時代にピークだった核保有量を半分以下に減らしました。NPT条約の枠組みの中で、段階的な多国間軍縮交渉を通して、核なき世界に到達するのが最善の方法だと固く信じています。英国は核拡散を防ぎ、さらに安全で安定した世界、核保有国が核兵器を放棄できると感じる世界に向けて具体的な行動をとるために、国際社会のすべてのパートナーと努力を続けます。

質問)広島の若者たちに「平和のためにこれをしてほしい」という提案はありますか。
回答)広島であれ、他の場所であれ、年齢に関係なくすべての人が、自分たちの地域社会、もしくはもっと大きな規模で貢献できますし、どのような方法を取るべきか決めるのは一人一人の個人です。英国の手法は、力ではなく規則に基づいた国際秩序の重要性を強調することであり、GDPの7パーセントを他国を支援するために使用するという国際目標を達成し、GDPの2パーセントを国家防衛に使用するというNATOの目標を達成することです。我々は、そういったことが繁栄、平和、安全保障を保障するために大切な貢献だと考えています。

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