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[広島外相会合] 会場周辺 はや厳戒態勢 広島県警 検問や巡回

 広島市である外相会合が10、11両日に迫り、広島県警などが警戒を強めている。パリやベルギーでテロが相次ぐ中、県警は近年では最大規模の人員を配置する。会場のグランドプリンスホテル広島(南区)や平和記念公園(中区)の周辺は、既に厳戒態勢に入った。JR西日本などの公共交通機関もロッカー閉鎖などの対策を強化している。(門戸隆彦、土井和樹)

 「失敗は許されない。国家の威信に関わる」。米国のケリー国務長官たち7カ国と欧州連合(EU)の代表者が集う今回の外相会合。5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に向けた10ある関係閣僚会合のスタートだけに、県警幹部たちは神経をとがらせる。

 当日は県外からの応援を含め1994年の広島アジア大会の約3800人を超す人員を配備し、要人警護とテロ対策に充てる。歓迎レセプションなどがある同ホテルの周辺では検問が続く。警察官が通行車両を止めて車内に不審物がないかをチェック。出席者が訪れる平和記念公園では警察官が巡回を始めた。

 全国の警察は入国管理局などと連携し水際での入国阻止を進める。県警はテロを計画する人物がいないかも警戒。これまで不審人物に関する情報提供の協力も呼び掛けてきた。

 公共交通機関も協力。JR西日本は爆発物などが置かれないよう3日から11日まで広島駅など主な駅のコインロッカーの一部を閉鎖する。路面電車を走らせる広島電鉄は7日から11日まで広島、廿日市両市の駅構内や列車の見回りを強め、不審物の点検や不審者の有無を確認する。

 両日、県警は山陽自動車道などの一部で車両の通行を規制。南区の一般道などでも一時、車両通行止めにする。具体的な区間や時間は警備上の理由から明らかにしていない。

 同ホテルは三方を海に囲まれ、周辺海域の警戒も重要となる。第6管区海上保安本部は地元の漁協やマリーナ会社などに不審船の確認のほか、当日は沿岸から約250メートルの海域の航行を自粛するよう要請した。当日は巡視艇で周辺海域の警戒に当たるという。

(2016年4月7日朝刊掲載)

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