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東日本大震災1年 被災地へ ぬくもり伝われ 風船や地上絵で激励 県内

 東日本大震災の発生から1年の11日、県内でもさまざまな追悼行事や被災地支援・激励の催しがあった。

 吉賀町の町六日市基幹集落センターでは、町民有志による被災地支援バザーがあった。同町上高尻の会社役員児玉裕司さん(43)は、津波で大きな被害を受けた岩手県大槌町の女性グループが作った人形を販売。「仮設住宅で不自由な生活をしている人たちを支えよう」と呼び掛けた。

 大槌町のキャラクター「おおちゃん」「こづちちゃん」を人形に仕上げた。大槌町でボランティア活動をしている児玉さんの友人を通じ、人形約140個を取り寄せた。作業用手袋を加工した人形は、仮設住宅に暮らす高齢女性が手作りしている。

 児玉さんは震災後、義援金や支援物資を募る活動を続けている。今回のバザーには町民約30人が出店。収益は全額、被災地に贈る。

 益田市高津のバルーンアーティスト竹下悦子さん(57)は仲間約80人に呼び掛け、地震発生時刻に合わせ120個の風船を飛ばした。

 同市の県立万葉公園に集まった参加者は「復興祈念バルーン」と名付けた風船を受け取り「頑張ろう」「明るい明日へ」などのメッセージを書いた。黙とう後、風船を放すと、強い風に乗って東の空へ飛んでいった。

 松江市の白潟公園では、児童たちが被災地復興を願うチドリの地上絵(縦横30メートル)を描いた。「千鳥城」の別名を持つ松江城にちなみ、縁結びの糸をくわえたチドリが被災地に羽ばたく願いを込めた。児童50人と保護者が緑の芝生に白いビニールテープでチドリをかたどり、10メートル四方の「絆」の字も作った。

 松江高専と、被災者支援組織「松江・島根支援協議会」などの主催。会場では地震発生時刻に合わせ、全員で黙とう。同市内では同時刻、100を超す寺院と教会が一斉に鎮魂の鐘を鳴らした。

 JR松江駅前では、島根大生や社会人など赤十字奉仕団員約30人が「1年たった今も、被災者は過酷な生活を強いられています」と街頭募金を呼び掛けた。

 県警は、被災地に管区機動隊16人を派遣した。13~27日、立ち入り制限区域の福島県浪江町で、警戒や検問に当たる。被災地への派遣は41回目。派遣人数は延べ575人となった。

(2012年3月12日朝刊掲載)

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