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核廃絶 つながる宣言を 広島市長、外相会合に期待

 広島市の松井一実市長は7日の記者会見で、市内で10、11両日にある外相会合で発表される「広島宣言」について、被爆者たちの思いを踏まえ、核兵器廃絶と世界平和実現への「足がかり」となる内容を望んだ。

 宣言は、停滞する核軍縮・不拡散の「再起動」を目指す、議長国の日本がまとめる。松井市長は「核兵器保有国と非保有国がともに核軍縮、核不拡散などの政治課題に向き合うと表明してほしい」と求めた。

 米国の現職国務長官として初となるジョン・ケリー氏の被爆地訪問にも言及。「広島を訪れる意義を実感し、オバマ大統領に伝えてもらえれば、大統領訪問の実現可能性がもう一段高まる」と期待した。

 参加7カ国と欧州連合(EU)の外相は2日目の11日に平和記念公園(中区)を訪問。原爆資料館の見学と原爆慰霊碑への献花が予定されている。一方、被爆者の証言を直接聞く機会が設けられるかどうかについて、外務省は未定としている。松井市長は「心のありようを直接聞いてもらうのが一番良いが、資料館の見学と慰霊碑の献花で、一定の思いは伝わる」と述べた。

 会見では、官民18団体でつくる支援推進協議会が外相に贈る記念品も披露した。銅板を金づちでたたいて成形する広島の伝統工芸品「銅蟲(どうちゅう)」の飾り盆(直径約30センチ)で、原爆ドーム(中区)をかたどっている。(水川恭輔)

(2016年4月8日朝刊掲載)

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