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政策で協定 一体感強調 参院選山口 新人擁立の野党3党 自公、「野合」と批判

 夏の参院選山口選挙区(改選数1)に無所属新人で元山口大副学長の纐纈(こうけつ)厚氏(65)が立候補を表明した7日、擁立した民進、共産、社民の野党3党の県組織は、最重要政策に「安全保障関連法の廃止」を掲げて一体感を強調した。自民党現職で国土交通政務官の江島潔氏(59)を支える自民、公明両党の県組織は「選挙目当ての野合だ」などと厳しく批判した。(佐藤正明、折口慎一郎)

 纐纈氏が記者会見を開いた山口市のホテルには、民進党県連の西嶋裕作代表、共産党県委員会の佐藤文明委員長、社民党県連合の佐々木明美代表が顔をそろえた。安保関連法廃止など3項目で政策協定を結び、議席獲得への全面支援を誓った。

 3人は1月中旬、山口市で纐纈氏に立候補を要請していた。西嶋代表は「3党の統一候補が決まってほっとしている。投票しても何も変わらないと諦めていた有権者を動かしたい」と意気込む。

 佐藤委員長は「上関原発建設計画や米海兵隊岩国基地問題など、3項目以外でも一致できる部分はたくさんある」と指摘。佐々木代表は「安倍晋三首相の地元から、安保関連法反対の声を全国に広げたい」と強調する。

 江島氏を支える自民党県連の守田宗治幹事長は「野党の統一候補がようやく決まった。圧勝へ組織を引き締めたい」と語った。纐纈氏については「訴えからは生活感がまったく感じられない」と皮肉った。

 江島氏を推薦する公明党県本部の先城憲尚幹事長は「野党は安全保障政策の考えがバラバラで、選挙目当ての野合と言われても仕方がない」と手厳しい。争点は経済政策だとして、連立政権の成果を問い掛けるとした。

 山口選挙区には、諸派の幸福実現党新人で党県本部副代表の河井美和子氏(53)も立候補を表明している。河井氏は「中国や北朝鮮の軍事的脅威が高まる中で、日本をどう守っていくのかが見えない」と纐纈氏を批判。日米同盟の強化などを訴える考えを強調した。

(2016年4月8日朝刊掲載)

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