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[広島外相会合 書面インタビュー] 米国務長官 相互理解こそ平和の道

  ―「核兵器なき世界」を支持しますか。
 支持する。米国は長年、世界の核軍縮に決意をもって取り組んできた。オバマ大統領はその目標を支持し、核兵器のない世界に向けたビジョンと、核の脅威を軽減する政策を表明した。大統領は、全世界の核軍縮はすぐに達成できないし、自分が生きている間に実現することはないが、米国には(これに向けて)具体的な措置を取り、国際的な取り組みを主導する特別な道義的責任があると明確に述べている。

 この一環として、大統領は今月初め、米ワシントンで第4回核安全保障サミットを主催した。安倍晋三首相たち50カ国超の首脳たちが参加した。サミットは、高濃縮ウランとプルトニウムの備蓄量の削減、核施設の保護や核物質の密輸を防ぐ能力の強化などに向け、具体的な取り組みを促した。核安全保障上、多くの有意義な改善をし、世界の安全保障に貢献してきた。

 核軍縮の追求については、現実的で実践的な手法を採用する。世界の安全保障環境や戦略的安定性の問題、友好国や同盟国に対するわれわれの安全保障上の責務から軍縮を切り離せない。核軍縮は、米国と同盟諸国、全人類に対する、核と安全保障上のリスクを減らす方法で進めなければならない。

  ―広島訪問への期待は。
 訪日時はいつも日本の皆さんと素晴らしい時間を過ごせるが、広島は今回が初めてだ。人々、歴史について知識を深められることを楽しみにしている。

  ―外相会合でどんな議論を期待しますか。
 国際平和に対する世界的な脅威に対し、大半の場合、共同で対処する必要がある。会合は、国際的な政治・安全保障に関する懸念、平和と安定に対する脅威への対処に必要な具体的な行動について統一した意見を述べる重要な機会だ。

 多くの課題がある。過激主義やテロの脅威、核拡散、気候変動、世界各地でまん延する腐敗などが一例だ。全ての問題を議論するのは不可能かもしれないが、可能な解決策を共に模索し続けることが重要だ。

  ―日本の若者への提案はありますか。
 私たちは、言葉や習慣が違っても対話し続けるという、特別な責務を負っている。他の人の視点を考えようとすることによってのみ、相互理解を築き、平和のための解決策を見つけることができる。全ては人と人とのつながりにかかっている。

(2016年4月10日朝刊掲載)

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