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呉で花見 平和な一日再現 映画「この世界の片隅に」支援する会 魅力や期待語り合う

 第2次世界大戦末期の呉、広島両市を描くアニメ映画「この世界の片隅に」の製作を支える「支援する会」が9日、原作の一場面にちなみ呉市二河町の二河公園で花見をした。公開を半年後に控え、原作の魅力や映画への期待を語り合った。(小笠原芳)

 二河公園は、主人公のすずが1945年4月に桜の木に登って花見をした場所。呉空襲に遭う前の平和な一日が描かれている。

 この日、県内外から支援する会のメンバーたち26人が集まった。花びらがひらひらと舞う桜の木の下で弁当を食べながら、「映画を機に、呉へ来た人に町を回遊してもらうにはどうしたらいいか」などと和やかな雰囲気で意見を出し合った。

 原作ですずが作ったカタバミとダイコンのあえ物や、サツマイモとスギナの団子を持参したメンバーもいた。

 支援する会は昨年6月、呉、広島のNPO法人の役員や映画関係者たちが結成した。大年健二会長は「映画は戦争体験を語る有力な資料。多くの人に関心を持ってもらえるように広報を工夫したい」と話していた。

「この世界の片隅に」
 広島で生まれ、戦争末期の呉に嫁いだ主人公が、戦渦に巻き込まれながら懸命に生きる姿を描く。広島市西区出身の漫画家こうの史代さん原作で、映画は片渕須直監督が手掛ける。今秋の公開を予定している。

(2016年4月10日朝刊掲載)

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