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4300人態勢 異例の警戒 範囲・人数は近年で最大 広島外相会合

 外相会合が10、11の両日にあった広島市では、テロの脅威の高まりを受けて異例の厳戒態勢が敷かれた。広島県警は他の都府県からの応援を含め、近年では最大の約4300人態勢で警備に当たり、会場のグランドプリンスホテル広島(南区)や平和記念公園(中区)の周辺は物々しい雰囲気に包まれた。

 同公園で原爆慰霊碑への献花などがあった11日、県警と市は原爆資料館付近から北側のデルタ地帯の立ち入りを一時制限。警戒範囲は近年で最も広く、市職員や警察官が取り囲んだ。

 5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に向けた関係閣僚会議の最初の会合であり、県警はテロ防止を最重要課題と位置付けた。ホテル周辺では、厳重に立ち入りを制限し、いくつもの地点で検問を行い、上空からヘリで警戒した。ホテル周辺の海上では広島海上保安部の巡視艇が不審船の接近などを監視した。

 出席者が予定外の行動を取るたび、緊張も走った。ケリー米国務長官たちは11日、同公園での献花が終わると原爆ドームの方向へ。公園の外で待機していた警察官たちが慌てて駆け寄った。ケリー国務長官は広島城や人形店も訪れ、県警は対応に追われた。

 県警によると、2日間の日程で大きなトラブルはなかった。広島空港(三原市)や路面電車を走らせる広島電鉄などの公共交通機関は期間中、ごみ箱を透明にしたり、職員が不審者の確認に当たったりして警備に協力した。広島高速1~3号線などは、一時通行規制された。(門戸隆彦、滝尾明日香、土井和樹)

(2016年4月12日朝刊掲載)

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