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「核の脅威なくすのが義務」 原爆資料館芳名録に記す 広島外相会合

 核保有国の米英仏を含む7カ国と欧州連合(EU)の外相は11日、原爆資料館を訪れた後、館内の芳名録に記帳した。原爆投下国のケリー米国務長官は「世界の全ての人々がこの資料館が持つ力を見て、感じるべきだ」などと記した。

 外相たちは、英語やフランス語、イタリア語などそれぞれの言語で記述。ケリー国務長官は「核兵器の脅威をなくすことが私たちの義務だということだけでなく、戦争そのものを回避するためにあらゆる努力を払う必要があることを明白かつ厳しく、切実に思い起こさせる」とつづっている。

 英国のハモンド外相は「核兵器のない世界に向けた条件をつくるための努力を倍増しよう」。フランスのエロー外相も「広島で私たちは悲劇と苦しみを忘れない。世界が安全であるためには、核不拡散は極めて重要」としている。

 イタリアのジェンティローニ外相は「原爆の悲劇の記憶は未来への教訓だ」と指摘。ドイツのシュタインマイヤー外相も「広島、長崎の人々の苦しみと犠牲は平和な世界を必ず実現しなければならないと警告している」と書き込んだ。

 カナダのディオン外相は「資料館の見学で核兵器のない世界に向けたわれわれの強い願望を強化しよう」と記した。

 EUのモゲリーニ外交安全保障上級代表は「最悪の爆発で破壊された残骸から植物が再び生まれるように、平和は崩壊した歴史から生まれる」と被爆地の復興を表現している。議長国の岸田文雄外相は「歴史的な資料館訪問が核兵器のない世界の実現につながることを願います」とした。

(2016年4月12日朝刊掲載)

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