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アオギリ2世 つなぐ絆 被爆者の箕牧さん 広島県外の学校で苗植え 

再会を約束 「平和考えるきっかけに」

 被爆体験の証言活動をしている広島県被団協(坪井直理事長)の副理事長、箕牧(みまき)智之さん(73)=北広島町=が、広島に来た時に証言をした県外の学校を訪問し、被爆アオギリ2世の苗を一緒に植える活動を本格的に始めた。(二井理江)

 1月に奈良県御所市の葛(くず)小、2月には静岡県御殿場市の御殿場特別支援学校高等部を訪問。葛小では、昨年10月に修学旅行で広島に来た6年生5人と再会した。昨年春に米ニューヨークの国連本部で開かれた核拡散防止条約(NPT)再検討会議に参加した様子や、広島の復興の象徴として菓子メーカー、カルビーの創業などについて映像で紹介。いずれも広島では見せていなかった。

 児童たちは、箕牧さんの住む北広島町について調べた内容を発表し、最後に一緒にアオギリの苗を植えた。3~5年後に木の下で再び会う約束もした。

 御殿場特別支援学校高等部では、昨年11月に広島を訪れた3年生22人と再会。授業を参観し、植樹をした。筋ジストロフィーの生徒に「広島から来たよ」と呼び掛けると、笑顔を見せてくれたという。

 「2回会えば顔も覚えるし、アオギリを植えれば、他の子どもたちも平和について考えるきっかけになってくれるのではないか」と期待。県外でのアオギリ植樹は2013年、田園調布雙葉学園(東京)で実施したが、最近はしていなかった。今後は年に数校、アオギリの苗を持って訪問したいと考えている。

(2016年4月12日朝刊掲載)

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