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スリランカ野球を支援 カープ 指導者受け入れへ

 広島東洋カープは4月下旬から12月まで、スリランカから野球指導者を受け入れる。内戦の傷痕が残る現地のスポーツ文化の復興に貢献する。

 代表チームのコーチ男性(28)が来日する。球団の大野寮(廿日市市)に無償で滞在し、若手選手と寝食をともにしながら指導法を学ぶ。球団と現地の橋渡し役になるため、日本語も覚える。

 球団は昨年7月、国際協力機構中国国際センター(JICA中国)と連携して、野村謙二郎前監督(49)を現地に派遣した。中高生を指導し、試合も楽しんだ。現地では、野球の普及を図る青年海外協力隊員2人が活動しているが、指導者不足を痛感したという。その後、球団はJICA中国と話し合い、人材育成の支援を決めた。

 コーチの受け入れに併せ、海外からの輸入品に頼る硬式球100ダースも贈る。

 野村前監督は「スリランカと新たなつながりができて非常にうれしい。子どもが野球を通じて立派な大人に成長するのに役立ててほしい」と期待していた。(貞末恭之)

スリランカ
 インド洋にある島国で、面積は北海道の5分の4に当たる約6万6千平方メートル。人口約2千万人。1983年から2009年まで内戦が続き、約7万人が犠牲になった。野球人口は約5千人。代表チームの監督を、青年海外協力隊員が務めた時期もある。国内唯一の専用球場は、日本の資金援助で建設された。

(2016年4月13日朝刊掲載)

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