×

ニュース

震災がれき 防府市 受け入れ表明 中国地方初 基準策定が前提

 東日本大震災で発生した岩手、宮城県のがれき処理について、防府市の松浦正人市長は13日、山口県などが安全基準を示すことを条件に受け入れる考えを表明した。がれき処理は北九州市などで前向きな動きがあるが、中国地方で自治体首長が表明したのは初めて。

 松浦市長は記者会見で「市民の安全を担保しつつ県と協議し、震災からの復興の課題となっているがれき処理に一歩前に出て取り組みたい」と明言。その理由として、同市が2009年7月に豪雨災害に見舞われた際、全国から多くの支援を受けたことを挙げた。

 がれきは同市の三田尻中関港に船で運び、市クリーンセンターで焼却処分した後、最終処分場に埋め立てることを想定している。同センターは1年間に約400トンの処理能力があるという。

 放射性物質への懸念について、松浦市長は「市民の理解は高いと感じている。求めてでも取り組んでいく」と強調。12日に山口県の岡田実副知事に会い、受け入れ条件として安全基準策定を要請し、周辺自治体と広域的に受け入れられるよう調整を求めたという。

 岡田副知事は13日、取材に対し「近く県庁で国の説明会があるので、安全基準などについてよく聞いてもらうよう答えた」と説明した。防府市議会の安藤二郎議長は「定例会最終日の26日、議会としても意思を示したい」とした。(川村奈菜、金刺大五)

(2012年3月14日朝刊掲載)

年別アーカイブ