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上関原発着工「未定」へ 供給計画で中電検討 島根3号機も

 中国電力が今月末、国に提出する2012年度の電力供給計画で、島根原子力発電所(松江市)3号機の運転開始と上関原発(山口県上関町)の着工の時期を、ともに「未定」とする方向で検討していることが13日、分かった。政府が今夏をめどにまとめるエネルギー政策の内容を見て、再検討する方針とみられる。

 島根3号機はすでにほぼ完成。上関1号機は12年6月の着工を目指していたが、福島第1原発事故を受け、いずれも手続きはストップしている。政府方針が定まるまで、中電の新規原発は計画上も宙に浮いた状態となる。

 中電の苅田知英社長は福島事故後も、原発を推進する姿勢を示している。ただ、原子力政策への政府の基本方針が見えないことに加え、地元も慎重姿勢を増していることなどを考慮し、日程の明示を見送るとみられる。

 中電が昨年3月にまとめた11年度の供給計画では、島根3号機は12年3月の運転開始、上関1号機は18年3月の運転開始を目指していた。島根3号機については昨年5月、新たな津波対策や装置の点検の遅れを理由に、運転開始を未定とする方針を示していた。

 中電は12年度の電力供給計画で、ピーク時の供給力についても「未定」とする可能性がある。定期検査中の島根原発1、2号機の再稼働が見通せないため。全国の電力会社が同様に対応する見通し。(和田木健史)

                                                                                      
電力供給計画

 電力各社は、翌年度以降の供給計画を経済産業省に提出することが電気事業法で義務付けられている。計画には、今後10年間に想定される販売電力量やピーク時の供給力のほか、原子力や火力など発電設備の投資方針が盛り込まれる。

(2012年3月14日朝刊掲載)

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