長期資金 最大3300億円 中電16年度 原発安全対策など
16年4月15日
中国電力は2016年度、社債と借入金を合わせた長期資金を最大3300億円調達する。前年度実績の約1・8倍。島根原発(松江市)の安全対策費などの投資が増える一方、日銀のマイナス金利政策で長期資金の金利は下がっており、高水準の調達を計画する。(河野揚)
3300億円は14年度と同じで、最近10年では13年度の3400億円に次ぐ水準になる。15年度の調達実績は1875億円で、14年度に1千億円の大型社債を発行した反動で一時的に少なかった。
用途は工事資金や債務償還とする。島根原発は2号機の再稼働に向け、安全対策費が約4千億円に膨らみ、今後も増える可能性が高い。さらに、古くなった火力発電所や送配電網の維持費もかさむ見通しだ。
マイナス金利に伴って市場金利も下がり、資金調達には追い風が吹く。13日に発行した16年度初の国内普通社債100億円は利回りが年0・3%と、中電の10年債としては過去最低になった。
中電は15年度に2年連続で最終黒字を見込むものの、1日からの電力小売り全面自由化で業界の競争激化が予想される。利払いが少なくて済むうちに、多くの資金を確保できればメリットは大きい。
ただ社債の利回りが下がれば、投資家のニーズが減る恐れもある。中電は「マイナス金利政策は低利になる一方で、社債に悪影響を与える可能性がある」とみている。
(2016年4月15日朝刊掲載)
3300億円は14年度と同じで、最近10年では13年度の3400億円に次ぐ水準になる。15年度の調達実績は1875億円で、14年度に1千億円の大型社債を発行した反動で一時的に少なかった。
用途は工事資金や債務償還とする。島根原発は2号機の再稼働に向け、安全対策費が約4千億円に膨らみ、今後も増える可能性が高い。さらに、古くなった火力発電所や送配電網の維持費もかさむ見通しだ。
マイナス金利に伴って市場金利も下がり、資金調達には追い風が吹く。13日に発行した16年度初の国内普通社債100億円は利回りが年0・3%と、中電の10年債としては過去最低になった。
中電は15年度に2年連続で最終黒字を見込むものの、1日からの電力小売り全面自由化で業界の競争激化が予想される。利払いが少なくて済むうちに、多くの資金を確保できればメリットは大きい。
ただ社債の利回りが下がれば、投資家のニーズが減る恐れもある。中電は「マイナス金利政策は低利になる一方で、社債に悪影響を与える可能性がある」とみている。
(2016年4月15日朝刊掲載)