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社説・コラム

『書評』 「強く、しなやかに」 渡辺和子さん 半生を1冊に 「置かれた場所で…」著者

 ベストセラー「置かれた場所で咲きなさい」の著者で、ノートルダム清心学園(岡山市)理事長の渡辺和子さんの半生を追った「強く、しなやかに」=写真=を、山陽新聞社が刊行した。

 2015年2月から11月まで掲載した新聞連載をまとめた。渡辺さんは1927年北海道旭川市生まれ。36年の二・二六事件で東京の自宅を襲われ、目の前で父親を失った。洗礼を受けてシスターになった後、36歳でノートルダム清心女子大学長に抜てきされる。84年にマザー・テレサが岡山を訪れた際は通訳を務めた。山あり谷ありの足跡を記録している。

 渡辺さん自身が同大の学報につづった随想20編も「折々の記」と題して収めた。聖心女子大の学生時代、後に国連難民高等弁務官となる緒方貞子さんと写った場面など、写真も数多く載せている。1296円。

(2016年4月15日朝刊掲載)

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