×

ニュース

「ヒロシマ・ナガサキ議定書」の意義 修道大で学生探る

■記者 桑島美帆

 核兵器廃絶を目指して平和市長会議が提唱する「ヒロシマ・ナガサキ議定書」を読み解き、約4カ月かけて分かりやすい内容に書き直す授業が、広島修道大(安佐南区)で始まった。議定書を通して広島が果たす役割を考えようとの試みだ。

 授業は2-4年生約50人が受講する、三上貴教(たかのり)教授の国際政治学。全15回の講義で現在の核状況などを学びながら、議定書の実現可能性などを探る。

 29日は、市民の力で事実上の全面禁止を勝ち取った対人地雷禁止条約やクラスター爆弾禁止条約に触れ、議定書を学生や市民が後押しする意義を三上教授が講義した。

 来年1月まで条項ごとに内容を吟味し、学生の手で分かりやすく書き直したものを広島平和文化センターのスティーブン・リーパー理事長らに手渡す。2年生の和泉谷明宏さん(19)は「議定書の存在自体知らなかった。核問題に興味も出てきたので、自分の言葉で語る『議定書』にしたい」と意気込む。

 「ヒロシマ・ナガサキ議定書」は今春、ジュネーブで開かれた核拡散防止条約(NPT)再検討会議の準備委員会で秋葉忠利市長が発表した。核兵器廃絶に向けた段階的なプロセスを盛り込み、2010年のNPT再検討会議で検討されることを目指している。

(2008年9月30日朝刊掲載)

関連記事
ヒロシマ・ナガサキ議定書 核廃絶の推進力へ知恵絞る (08年6月30日)
平和市長会議がヒロシマ・ナガサキ議定書発表 各国政府の賛同促し国連採択へ(08年5月13日)

年別アーカイブ