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原爆ドーム 工事再開 耐震補強 7月末までに完了へ 広島市

 広島市で外相会合が終わったのを受け、市は18日、世界遺産の原爆ドーム(中区)の耐震補強工事を再開した。昨年12月に前身の県産業奨励館の遺構が見つかった一部区域の作業を中断したままにしていた。7月末までの完了を目指す。

 市の委託業者がこの日、ドーム内の北側で、れんが壁沿いに足場(高さ約14メートル)を組み始めた。5月の連休明けに外側にも設け、落下防止用シートで覆う。壁の2カ所に鋼材の支柱をあてがう工事を進めるという。

 市は昨年12月、震度6弱で崩壊する危険がある南北の壁3カ所で初の耐震補強工事を着工。南側1カ所は3月末に終えたが、北側の2カ所は支柱の基礎付近で床面の遺構が出た影響で作業が遅れていた。

 さらに今月10、11日の外相会合に向け、市はいったん足場を撤去した。会合では当初、ドーム見学は予定されていなかったが、外相らは11日、急きょ足を運んだ。

 市は当初、全ての工事を3月末で終える計画だった。公園整備課は「熊本地震と同規模の地震が起これば、ドームは倒壊の危険性がある。対策を急ぎたい」としている。(和多正憲)

(2016年4月19日朝刊掲載)

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