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原発問題 読んで考えて 児童作家 中澤さん講演 中区

 チェルノブイリ原発事故を題材にした児童文学を書いた広島市東区の作家中澤晶子さん(59)が14日、同市中区の市こども文化科学館で講演した。福島第1原発事故を受け、本の役割をあらためて強調した。

 読み聞かせボランティアたち約100人が参加した。中澤さんはチェルノブイリ原発事故後、ドイツの日本人学校の学校便りに書かれた「野菜はよく洗う、野外での遊びは控える」などの記述を取り上げ、「26年前の欧州と同じことが起きた」と二つの原発事故を重ねた。

 自著で警鐘を鳴らしながらも「気付いたら国内に原発が増えていた」と残念がり、「こうした本を、考える材料として子どもに与えることが大切だ」と呼び掛けた。

 中澤さんは1988年、原発事故を取り上げた「あしたは晴れた空の下で」を出版。96年に絶版となったが福島第1原発事故が発生した昨年復刊した。講演会は市こども図書館が主催した。(石井雄一)

(2012年3月15日朝刊掲載)

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