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平和コンサート 国の補助金なし 広島県広告費削減で対応

 広島県は19日の県議会生活福祉保健委員会で、夏の「ひろしま平和発信コンサート」の事業費の一部として見込んだ、国の補助金約2500万円が認められなかったことを明らかにした。広告費の削減などで対応し、三つのコンサートは計画通り開く方針。委員からは見通しの甘さを批判する意見が出た。

 コンサートは被爆地から平和のメッセージを発信する目的で、県、広島市、経済団体などでつくる実行委員会が主催する。7月にポーランドの管弦楽団を招いたコンサート、8月に広島市出身のピアニスト萩原麻未さんの被爆ピアノコンサートと、地元アーティストのコンサートを、それぞれ同市中区で開く。総事業費は約8400万円の予定だった。

 県は、文化庁に申請した補助金が認められなかったことが、今月上旬になって判明したと説明。理由として、継続性や地域活性化に関する評価が十分でなかったことを挙げた。広告費や事務費を圧縮し、予定通りコンサートを開く方針も示した。委員からは「見通しが甘い。身の丈にあった規模に見直すべきだ」「PRを減らすことは、平和発信の目的に外れるのでは」との意見が出た。

 取材に対し、県は「ウェブサイトでの情報発信などでPR力が低下しないよう努める」と強調。森永智絵環境県民局長は「来年以降も開きたい。今年の結果を見て、規模や内容を検討する」としている。(鴻池尚)

(2016年4月20日朝刊掲載)

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