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外国人入館 最多33万人 広島の原爆資料館15年度 全体も増加 149万人

 被爆70年を迎えた2015年度の原爆資料館(広島市中区)の入館者数は149万5065人で、1955年度の開館以来5番目に多かった。運営する広島平和文化センターが20日、発表した。改装のため東館の展示を閉鎖した影響で落ち込んだ14年度から13・8%増え、2年ぶりに増加へ転じた。うち外国人が44・6%増の33万8891人で過去最多となった。

 入館者数が140万人を超えたのは09年度以来。最も多かったのは、今の本館を改装オープンした91年度の159万3280人。

 外国人は、これまで過去最多だった14年度を10万4531人上回り、4年連続で増加。センターは海外から訪日客が増える中、インターネットの旅行サイトで高評価を得ているのが弾みになったと分析。昨年夏に山口市であったボーイスカウトの世界大会に参加した約2万7千人が訪れたのも大きかったという。

 修学旅行などの団体数でみると、14年度より2・2%増の4364団体。小中高生の合計では9・2%増の33万4798人だった。

 資料館は耐震工事に伴う全面リニューアルを進めており、14年9月から東館の展示スペースを閉鎖している。20日、市役所で記者会見した志賀賢治館長は「東館の影響もあると思っていたが、それ以上に被爆の実態を伝える展示への評価が広がっている」と強調。10月の東館オープンとともに本館が閉じるが、「増加傾向を保てるよう見学環境を工夫したい」と述べた。

 センターはまた、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(中区)の15年度の入館者数も発表した。31万3891人で14年度から24・3%増。うち外国人は65・9%増の6万6029人が訪れた。原爆死没者の遺影と名前の登録も6割増の計857人。同館は「70年の節目の意識も来館や登録の動機になった」とみている。(水川恭輔)

(2016年4月21日朝刊掲載)

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