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「韓国のヒロシマ」訪問 広島の被爆者ら 平和大会で交流 23日から

 広島の被爆者や被爆医療に携わる医師たちが23、24日、戦後に広島から帰国した被爆者が多く「韓国のヒロシマ」といわれる韓国慶尚南道陜川(ハプチョン)郡を訪ねる。現地の平和団体が開く陜川非核・平和大会に参加するため。被爆体験を語ったり、在韓被爆者と交流したりする。

 大会事務局によると広島県からの参加は12人。招待を受けた被爆者の細川浩史さん(84)=広島市中区=は証言集会に参加する。妹が被爆死し、自らも爆心地から約1・3キロの旧広島逓信局(中区東白島町)で被爆した体験を語る。広島共立病院(安佐南区)の青木克明医師も登壇し、日本の被爆者医療の現状や課題を報告する。

 大会には、広島県被団協(金子一士理事長)や高校生1万人署名活動実行委員会・広島のメンバーたちも参加。現地の原爆養護ホームを訪ねる。

 大会は、福島第1原発事故などを受け、韓国の被爆者支援団体「陜川平和の家」が中心となって企画した。広島、長崎の被爆者や福島の住民、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故などの被曝(ひばく)者たちが集う。

 大韓赤十字社に登録している在韓被爆者数は2月末現在、2671人。うち2割弱の463人が陜川郡に住む。細川さんは「韓国の被爆者と心を開き合い、体験を共有したい」と話している。(田中美千子)

(2012年3月16日朝刊掲載)

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