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体験伝承者の2期生が始動 原爆資料館で講話 広島市養成

 広島市が養成し、被爆者の記憶と平和への思いを語り継ぐ「被爆体験伝承者」の2期生が22日デビューした。

 25人のうち2人が原爆資料館(中区)での2回の講話会にそれぞれ登壇。主婦大松美奈子さん(44)=安佐北区=は、広島二中(現観音高)2年時に爆心地から約2キロの学徒動員先で被爆した国重昌弘さん(85)=佐伯区=の記憶を市民や観光客たちに語った。

 建物疎開作業に動員されて本川東岸に集合した友人を含む1年生が全滅。前日は2年生がその作業の番だったといい「(原爆が落ちるのが)1日早かったら自分だったかもしれない」などの心情を伝えた。最前列で聞いた国重さんは「私が語れなかった思いまで伝えてくれた」と喜んだ。

 ボランティアガイド遠原弘子さん(78)=安佐南区=は爆心地から約1キロで被爆した寺本貴司さん(81)の記憶を話した。

 市は2012年度から伝承者の養成を始め、昨年4月に1期生50人がデビュー。本年度は1、2期生計74人が交代で、資料館で毎日3回ある講話会に立つ。求めに応じて学校などにも赴く。(和多正憲)

(2016年4月23日朝刊掲載)

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