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社説・コラム

就任1ヵ月の藤原副知事に聞く JR三江線や原発 丁寧に議論 情報きちんと公開 島根

 藤原孝行副知事(60)が就任して1カ月となった。中国新聞のインタビューに応じ、JR三江線の全線廃止検討問題や、中国電力島根原子力発電所2号機(松江市鹿島町)の再稼働問題について「情報をきちんと公開し、住民と丁寧に合意形成していくことが大切だ」と強調した。(聞き手は秋吉正哉)

  ―就任から1カ月がたちました。
 掲げた「明るく楽しく、チーム島根で仕事をする」という言葉は好感を持って受け止められたと思う。職員数は減る一方、仕事量は変わっていない。助け合い、知恵を結集して課題に取り組めるよう、言い続けていく。

  ―県内では、特に県西部や隠岐で人口減少が深刻です。
 離島、中山間地域も地域資源がたくさんあり、生活コストが高い都会より豊かな暮らしができる。雇用の場の確保や子育て支援を進めるのはもちろん、地域の良さや地元を支える大切さを教えるふるさと教育も重要だ。

  ―三江線の全線廃止検討問題にどう対応しますか。
 鉄道を残した方がいいという気持ちは誰もが同じだと思うが、利用者減の厳しい現実もある。いろいろな情報を公開し、丁寧に議論や研究をして住民と合意形成を図っていくことが必要だ。

  ―島根原発2号機は再稼働の前提となる国の審査中です。
 まず、国に安全性の審査をきちんとしてもらう。その後、仮に何らかの判断があれば、議論の材料を公開し、県民にさまざまな場で説明していきたい。

ふじはら・たかゆき
 1955年、雲南市木次町生まれ。京都大経済学部卒業後、78年に県職員。秘書課長、総務部次長、政策企画局長などを歴任し、2014年4月に教育長就任。15年7月には教育委員長を統合した新教育長となった。松江市で妻と次女の3人で暮らす。

(2016年4月24日朝刊掲載)

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