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似島散策マップが好評 東京の竹内さん作製 フェリー客室に配置 広島

 広島への修学旅行や平和学習に長年取り組んできた元高校教諭の竹内良男さん(67)=東京都立川市=が、原爆投下後、多くの被爆者が運ばれて亡くなった似島(広島市南区)の戦跡などを地図にまとめ、島と広島港(南区)を結ぶフェリーを運航する似島汽船に贈った。島内散策に便利と好評で、当初の200部は既になくなり、今春、450部を追加した。

 「似島めぐりまっぷ」はA3判の裏表、カラー。小さく折り畳んでポケットに入れられる。原爆投下後に臨時野戦病院となった軍事施設の検疫所跡や、被爆者が次々に運ばれてきた桟橋、被爆者の飲み水をくんでいた井戸などについて説明文や場所を島の地図に示している。竹内さんが1995年に編集した本に盛り込んだ、似島で救護活動に携わった元衛生兵の手記の一部も掲載した。

 竹内さんは約40回、似島を訪問。埼玉県の高校を定年退職後、原爆や戦争をテーマにしたフィールドワークを開いている。中区の江波地区や南区の宇品地区など、その都度、配布用にマップを作っている。

 似島のマップは、住民らの協力も得て2012年に初めて作り、改訂を加えてきた。1月に贈り、フェリーの客室に置いていた200部がなくなったため、450部を追加した。似島汽船の浜本義幸社長(62)は「コンパクトで分かりやすく人気がある。多くの人に平和学習の地でもある似島を訪れてほしい」。竹内さんは「子どもたちを含め、似島で多くの人が亡くなった事実に思いをはせてほしい」と話している。(増田咲子)

(2016年4月25日朝刊掲載)

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