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被爆者の梶本さん 米原爆展の報告 「核廃絶の訴え伝わった」

■記者 森田裕美

 広島市が米国の全50州で開催を目指す原爆展で被爆体験を証言した梶本淑子さん(77)=西区=が1日、同行した広島平和文化センターのスティーブン・リーパー理事長と市役所で記者会見した。「一刻も早く核廃絶をとの訴えは伝わったと思う」と振り返った。

 爆心地から2.3キロの学徒動員先の工場で被爆した梶本さんは9月3-12日に訪米し、ミズーリ州とアイオワ州の計5都市を訪問。原爆展があった大学や教会などで9回にわたって証言した。「核保有国でも会場に来た人たちは心優しく平和を愛する市民だった」と感想を語った。

 米国在住の被爆者とともに、モンタナ州とネバダ州の計3都市も訪れたリーパー理事長は「憎しみを乗り越えた被爆者の訴えで市民の表情も変わる。被爆者の力を再認識した」と手応えを示した。

 全米原爆展はこれまでに首都ワシントンと34州の75都市で開き、広島から派遣した被爆者9人と在米被爆者4人が証言した。リーパー理事長は在米被爆者の協力で、予定がなかった8州のうちバージニア州とウエストバージニア州で開催が決まったと明らかにした。

(2008年10月2日朝刊掲載)

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