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柳井で大幅増 最多96件 岩国基地の米軍機騒音苦情 15年度 東部の神代で40件

 柳井市に2015年度に寄せられた、米海兵隊岩国基地(岩国市)の米軍機によるとみられる騒音の苦情が96件に上り、前年度の7件から大幅に増えた。記録を取り始めた11年度以降で最多。岩国市でも2170件と過去2番目の多さだった。市民の関心の高まりや、高度やルートで通常と異なる飛行の実態が背景にあるとみられる。(井上龍太郎、野田華奈子)

 柳井市に寄せられた苦情内容は「うるさい」「テレビの音が聞こえない」「パイロットの顔が見えるくらい低空で飛んでいた」など。地域別では、中国四国防衛局(広島市中区)が騒音測定器を設置している市東部の神代が40件を占めた。

 神代の北側で、市独自の騒音測定器が昨年12月から稼働している日積は8件。市によると、3月末までの4カ月間で、掃除機の音などに相当する70デシベル以上の騒音を5秒継続で31回計測した。

年間1桁が急変

 苦情件数は14年度まで年間1桁だったが、昨年4月から急増。市は飛行方向や高度などの実態を把握するため、目撃情報を受け付ける専用の連絡票を同6月に作り、市のホームページ(HP)からも通知可能になった。

 苦情件数の大幅増について市は「騒音を認識する機会が春先に多かった。連絡票やHPで市民の関心も高まったため」とみている。市は引き続き、山口県や岩国市などとつくる基地関係県市町連絡協議会として、騒音軽減などを防衛局に要望する方針だ。

岩国は過去2位

 岩国市では、15年度の苦情件数が2170件と、過去最多だった13年度の2491件に次ぐ多さ。市基地政策課は、市街地の上空を低空で飛ぶ複数の米軍機が目撃された昨年5月21日に、基地滑走路が沖合移設された10年以降で1日当たり最多の125件を記録したことなどが影響したと分析する。

 中国四国防衛局と県、岩国市によると、新滑走路の運用開始以降、5年7カ月間(10年6月~15年12月)の平均の騒音は、運用前の3年間の平均と比較できる市内16測定地点全てで、うるささ指数が減少している。

<柳井市と岩国市に寄せられた航空機騒音の苦情件数>

年度  2011   12   13   14   15
柳井市    1    2    1    7   96
岩国市 2078 1864 2491 1980 2170

(2016年4月28日朝刊掲載)

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