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若い感性 ヒロシマ継ぐ 東京のクリエーターたち広島・横浜で8月催し 被爆体験聞き取り 

 東京在住の若手クリエーターたちが今夏、被爆の記憶を次代に引き継ぐ催しを広島市と横浜市で開く。被爆者から被爆体験を聞き取っている。(栾暁雨)

 広島市西区出身のウェブクリエーター久保田涼子さん(33)=東京都武蔵野市=が企画した。高校卒業まで広島で過ごし、祖母が被爆者の久保田さん。「8月6日の広島で何が起きたか知ってほしい」と首都圏在住の同年代の仲間50人と昨年、活動を始めた。

 4月から広島県と神奈川県で被爆者への取材を重ねる。広島大生も協力し、21日に法学部2年福原潤さん(20)=中区=らと原爆資料館(中区)を訪問。被爆者の梶本淑子さん(85)=西区=から話を聞いた。

 安田高等女学校(現安田女子高)の3年生だった梶本さんが14歳のとき、学徒動員で爆心地の北約2・3キロにあった工場で被爆した際の体験を約2時間聞き取った。神戸市出身の福原さんは「あまり知らなかった原爆被害を深く知るいい機会になった」と話す。

 聞き取った内容は冊子にまとめ、会場で展示する。6月以降にインターネットで公開し、英語の翻訳も付ける。催しは被爆直後と現在の広島を比べる写真展示や仮想空間上の灯籠流しなども企画。横浜市のみなとみらいギャラリーで8月3~8日に開き、広島市では8月6日に平和記念公園(中区)内にブースを出す。

 催しは「第三世代が考えるヒロシマ 『 』継ぐ展2016」と題した。久保田さんは「首都圏の若い人にも被爆体験から何を継ぐかを考えてほしい。タイトルの『 』にその思いを込めた」と話す。

(2016年4月29日朝刊掲載)

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