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黒い雨 内部被曝検証を 増田元気象庁研究室長が講演 「厚労省の報告は不十分」

 気象庁気象研究所の元研究室長、増田善信さん(88)=東京都狛江市=が16日、広島市中区の原爆資料館で「黒い雨からフクシマまで」と題して講演した。原爆投下後の黒い雨の「降雨域は確定困難」とした厚生労働省有識者検討会ワーキンググループ(WG)の報告を「検証が不十分」と批判した。

 増田さんは1988年、聞き取り調査などを基に黒い雨の降雨域が従来の約4倍と発表した。WGの報告が心身への影響を、精神面を中心に解析した点について「黒い雨は原爆の放射線を受けた灰やちりを含んでおり、内部被曝(ひばく)による健康被害を認めないのはおかしい」と指摘した。

 県被団協(金子一士理事長)と県「黒い雨」原爆被害者の会連絡協議会の主催。市民たち約100人が聞き入った。(増田咲子)

(2012年3月17日朝刊掲載)

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