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子を守ろう 避難の手引 島根原発30キロ圏 教育現場向け 県教委 来月にも素案

 島根県教委は16日、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の事故を想定し、原発30キロ圏の幼稚園や小中学校など教育現場に特化した避難マニュアルを作成することを明らかにした。災害弱者になりがちな子どもの避難を重視。素案を4月にも各校・施設に示し、避難計画の策定を促す。(樋口浩二)

 30キロ圏計362カ所の幼稚園、保育所、小・中・高校、特別支援学校が対象となる。福島第1原発事故と同レベルの事故を想定。約7万人に上る在校児童・生徒や園児を保護者に安全に引き渡すため、登校時、授業中、部活動中などケース別に学校が取るべき措置を盛り込む。

 小学生未満、小中学校向けなど、子どもの発達段階に応じて学校種別に複数の素案を作る。エリアも、政府がすぐに避難する必要があるとする原発5キロ圏の予防防護措置区域(PAZ)と、5~30キロ圏で区別。学校での待機時間などに差を設ける。

 寮、下宿暮らしなど保護者と別居、または自宅が遠方の生徒への対応も検討している。

 素案提示後、現場の課題を聞き取り正式にマニュアル化。各校による避難計画づくりの指針にしてもらう。2012年度中には、避難計画に基づいた訓練の実施を目指す。

 県教委総務課は「事故の際の行動パターンを子どもと保護者が共有することで、混乱を抑えられる」とみている。

(2012年3月17日朝刊掲載)

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