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爆心1キロ よみがえる街 広島の復元委 CG一部公開

 被爆前の広島市中心部をコンピューターグラフィックス(CG)で再現する映画制作に取り組む爆心地復元映像製作委員会は16日、爆心地から半径1キロ圏の再現映像の一部を公開した。被爆70年の2015年に向け、CGに住民の証言映像を組み合わせた映画の完成を目指す。

 委員会代表の映像作家田辺雅章さん(74)=広島市西区=が同日、市役所で会見した。映像は約30秒。米軍などの航空写真を基に、上空100メートルから見渡した緑豊かな被爆前の市街地を再現した。

 田辺さんは1997年、CGによる爆心地付近の再現を開始。現在は平和記念公園となっている中島地区と、旧細工町、旧猿楽町の再現映画を完成させた。11年4月から半径1キロに範囲を広げて作業を進める。

 田辺さんは「広島の生活文化を再現し、原爆が何を奪ったか伝えたい」と強調。主要施設の外観や街並みをより精巧に仕上げるため、被爆前の市中心部を記憶する人や写真を所蔵する人からの情報提供を求めている。委員会事務局のナック映像センターTel082(292)9401。(田中美千子)

(2012年3月17日朝刊掲載)

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