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3・11記憶継承アート 中区で展示

 東日本大震災をテーマにした美術展「きみは3・11を見たか?」が17日から、広島市中区袋町の旧日本銀行広島支店で始まった。国内外の第一線で活躍する現代美術家や写真家、詩人らが参加。被爆建物を舞台に、記憶の継承や核の脅威を訴える作品が、強いメッセージを放っている。

 ヒロシマを題材に創作を続ける岡部昌生さん(北海道北広島市)は、宮城県気仙沼市など被災地6カ所から採取した土を水と混ぜ、紙に流した新作「土の記憶」を出品。同様の手法で広島やベイルートなどで制作した旧作も並べ、土地に刻まれた災害や戦争の傷痕を連想させる。

 大震災から1カ月間に発行された全国の新聞に自画像をすり込んだ吉村芳生さん(山口市)の「『3.11から』新聞と自画像」のほか、チェルノブイリを題材にした詩と福島第1原発の周辺地域の写真を並べた作品、広島の作家グループによるアートプロジェクトの展示もある。

 NPO法人アートプラットホームGなど主催。25日まで。無料。20日午後1時から出品作家の詩人アーサー・ビナードさんのトークショーがある。(西村文)

(2012年3月18日朝刊掲載)

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