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創作ノート 原爆資料館に 栗原貞子「生ましめんかな」 広島女学院大、広島市に寄託

 広島女学院大(広島市東区)は2日、同大図書館で所蔵する詩人栗原貞子(1913~2005年)の創作ノートを広島市に寄託した。代表作「生ましめんかな」が記された一冊。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産への登録再挑戦に向け、中区の原爆資料館で保管する。

 「あけくれの歌」と表紙に書かれた創作ノートはB5判。被爆直後に若い女性が産気づき、居合わせた「産婆(さんば)」が取り上げるさまを描写した詩「生ましめん哉―原子爆彈秘話―」がつづられ、被爆の惨状を詠んだ短歌も並ぶ。

 この日、同大図書館の佐藤茂樹館長が資料館を訪れ、市平和推進課の末定勝実・被爆体験継承担当課長に手渡した。

 ノートは08年に遺族から同大に寄贈された。広島文学資料保全の会と市は昨年、原民喜の手帳と峠三吉の草稿とともに記憶遺産の国内選考に応募し、選外となった。17年度の再申請を目指しており、同大は残り二つの資料同様に資料館での保管を決めた。末定担当課長は「一括保管することで次回の申請、選考にプラスになれば」と話した。(石井雄一)

(2016年5月3日朝刊掲載)

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