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原爆紙芝居DVD化 直後の街や黒い雨など16枚 笠岡の土屋さん 体験基に原画や朗読

 原爆投下後の広島の惨状を伝える紙芝居を映像化したDVD「ピカドンの恐ろしさを体験して」が完成した。岡山県原爆被爆者会会長の土屋圭示さん(87)=笠岡市富岡=が体験を基に、きのこ雲や黒い雨など16枚の原画を描き、ナレーションも担当した。(谷本和久)

 38分の2部構成で、前半が紙芝居。17歳で原爆投下直後の広島に入って被爆した土屋さん。がれきの間を一列で歩く被爆者や、黒い雨を浴びる兵隊などを描き、「両手の皮ふがたれ下がり、まるで幽霊のように」「黒い雨が放射能をいっぱいふくんでいたとは知りませんでした」などと表示しながら、一語一語をかみしめるように朗読している。

 後半は、紙芝居を作った理由やメッセージを語る。「原爆は凶器だと知ってもらいたかった」「二度と使ってはいけないと分かってほしい」と、画面から訴える。

 市非核平和都市宣言啓発実行委員会が昨年の被爆70周年を機に制作し、市内全28小中学校へ寄贈した。土屋さんは「一人でも多くの人に見てもらい、原爆の悲惨さや平和の大切さを考えてほしい」と呼び掛ける。

(2016年5月3日朝刊掲載)

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