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殉教者追悼の列 島根県津和野で乙女峠まつり

 キリスト教殉教者を追悼する「乙女峠まつり」が3日、津和野町であった。中国地方を中心に全国の信者が集い、雨の中、マリア像を担いだ聖母行列が津和野カトリック教会(同町後田)から乙女峠(同)までを歩いた。

 地元の園児たちが花びらをまいて先導。白い衣装を着た女子高校生8人が担ぐ同教会のマリア像を中心に、一行は約2キロを行進した。焼け焦げて頭部だけになった浦上天主堂(長崎市)の被爆マリア像も行列に加わった。

 像を担いだ萩市の萩光塩学院高3年小野楽さん(17)は「参加者の皆さんと気持ちを一つにし、殉教者の方を思いながら歩いた」と話していた。

 乙女峠では、キリスト教が禁じられていた明治初期、長崎から移送され、改宗を迫られた153人のうち37人が、拷問を受けて亡くなっている。(江川裕介)

(2016年5月4日朝刊掲載)

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