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原民喜 没後61年しのぶ 中区で集い

 広島市出身の被爆作家、原民喜(1905~51年)を研究する「広島花幻忌の会」は18日、命日の13日に合わせて没後61年の集いを中区で開いた。碑前祭や講演会で、約60人が民喜をしのんだ。

 平和記念公園の詩碑前では会員たちが黙とうし花を手向けた。市まちづくり市民交流プラザでは、50年以上、詩作を続ける被爆者の石井みちこさん(74)=東区=が講演した。

 石井さんが被爆時にいた実家のこんにゃく店は、民喜が被爆した幟町(現中区)の生家のすぐ近くにあった。やけどを負いながら広島東照宮(東区)に逃げた時の様子を、民喜の小説「夏の花」の描写と重ね、「原爆を世界からなくさなければ」と強調した。

 船越公民館(安芸区)のグループによる民喜ゆかりの歌のコーラスや、1月に亡くなった海老根勲事務局長の追悼行事もあった。(野田華奈子)

(2012年3月19日朝刊掲載)

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