×

ニュース

疑似体験や意見発表重視 参加型教材でヒロシマ学ぶ 県立広島大と市民団体作成

 ワークショップを通して平和学習に取り組める教材集「参加型で学ぶ『廣島』『ヒロシマ』『Hiroshima』」の作成を、県立広島大と開発教育に携わる市民グループが共同で進めている。参加者が積極的に疑似体験したり考えをまとめたりする中で、戦争や原爆などの歴史を学び、平和な世界に向けた各自の道筋を探っていける手法を具体的に紹介する内容で、近く完成する。(二井理江)

 教材は12種類。旅行会社の社員になったつもりで「平和」をテーマにした修学旅行のプランを作る「広島平和スタディツアーを考えよう」や、「平和」と「暴力」についてそれぞれイメージするものを書き出し、暴力から平和につながる道を探る「平和への視点を広げてみよう」といったユニークなものが並ぶ。

 教材の対象年齢も小学校中学年から社会人までと幅広く、年代に合わせたワークショップの展開方法を示しているものもある。

 教員や非政府組織(NGO)関係者、学生などでつくる市民グループ「地球市民共育塾ひろしま」(広島市中区)が、平和を構築する人材を育てていく方策として発案。県立広島大の重点研究事業(地域課題解決研究)にも指定され、2年間かけて共同研究してきた。

 同大の富田和広人間文化学部教授(社会学)は「自ら発見する喜びや楽しみが分かるはず。これからどうしていくか、と未来志向で考える学習につなげてほしい」と狙いを説明する。

 12種類全て盛り込んだ教材集はA4判、106ページで、200部印刷中。25日午後2時から、広島市南区の県立広島大で開く「教材集完成披露ワークショップ」の参加者に配るほか、希望者にも無料で配布する。地球市民共育塾ひろしまのホームページにも公開する。ワークショップ、教材集とも中須賀さんTel090(7547)8074。

(2012年3月19日朝刊掲載)

年別アーカイブ