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再び協演 平和の調べ 広響&アルゲリッチ 別府

 広島交響楽団が7日、大分県で開催中の別府アルゲリッチ音楽祭に初出演した。同音楽祭総監督で世界的ピアニストのマルタ・アルゲリッチから招待を受けた。ショスタコービッチのピアノ協奏曲第1番を協演し、別府市のビーコンプラザを埋めた1100人を魅了した。

 協演は、昨年8月に広島と東京であった「平和の夕べ」コンサート以来。アルゲリッチが広響と再び平和の音色を奏でたいと希望して実現した。「平和と音楽」をテーマとした今回の音楽祭にふさわしく、戦争や弾圧に翻弄(ほんろう)されながらも創作を続けた作曲家の曲に臨んだ。

 「平和への思いは同じ。技術だけじゃないものを出したい」とコンサートミストレスの蔵川瑠美。変化に富んだ調べを生み出すアルゲリッチに、広響が寄り添った。指揮は広響第3代音楽監督の高関健。ベートーベンの交響曲第7番なども生き生きと響かせた。

 6日は、平和発信に貢献したとして、広島県などでつくる「ピース・アーチ・ひろしまプロジェクト実行委員会」がアルゲリッチに「ひろしま音楽平和賞」を授与。湯崎英彦知事が賞状を手渡した。(余村泰樹)

(2016年5月8日朝刊掲載)

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