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星教授が退官 広島大原医研

 福島第1原発事故による放射能汚染地をはじめ、国内外で被曝(ひばく)線量の調査を続けてきた広島大原爆放射線医科学研究所(原医研)の星正治教授(64)=写真、放射線生物・物理学=が、3月末で同大を定年退官する。

 記念講義が15日、医学部(広島市南区)であった。原爆が放出した放射線の総量と被爆者のいた地点を基に各自の被曝線量を推定する計算式「DS86」の見直しや「黒い雨」降雨地域の調査など、広島、長崎で携わった研究成果を報告。福島原発事故や、旧ソ連のセミパラチンスク核実験場(カザフスタン)、チェルノブイリ原発事故による土壌汚染の調査についても説明した。

 退官後、当面は広島に残り、黒い雨やセミパラチンスクでの放射線量の研究を続ける。

 原医研は、星教授が長年取り組んできた線量測定は、新しいスタッフに担当させる方針。貴重な調査研究だけに、どう引き継ぐのか、責任は重い。

(2012年3月19日朝刊掲載)

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