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国天然記念物 カラスバトのひな誕生確認 上関原発予定地沖

 中国電力の上関原発(山口県上関町)計画に反対する環境保護団体「長島の自然を守る会」が19日、原発建設予定地沖約6キロの宇和島で、国の天然記念物カラスバトの繁殖を確認したと発表した。

 メンバーや鳥類学者が昨年12月からことし2月までの調査で4カ所の巣で卵1個ずつを確認。そのうち1カ所では2月12日、生後数週間とみられるひなも見つかった。

 町内で会見した高島美登里代表は、宇和島が別の希少種の繁殖地である点も挙げ「予定地周辺の生態系の豊かさを示している。原発建設で壊すことは許されない」と強調した。同会は軽微な環境変化も繁殖に影響があるとして、近く中電に原発建設計画の中止を申し入れる。

 一方、中電は2006年3月、建設予定地から約2キロの天田島で繁殖を確認。周辺を含め、継続的に生息状況を調査している。中電上関原発準備事務所は「専門家からは樹木改変や直近の騒音が発生しない限り、生息にほとんど影響はないとの見解を得ている。引き続き適切に対応していきたい」としている。(久保田剛)

(2012年3月20日朝刊掲載)

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