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闇と炎 幽玄の舞 尾道の浄土寺で薪能

 尾道薪能が7日、尾道市東久保町、浄土寺であった。国重要文化財の阿弥陀堂の舞台で、かがり火に浮かび上がった幽玄の舞に観客約800人が見入った。

 午後7時前、舞台の両脇の薪に火がともり、観世流シテ方の吉田篤史さん(42)=京都府向日市=たちが能「菊慈童」を演じた。父親で重要無形文化財能楽保持者の吉田潔司さん(74)=同=は、あらすじの説明をし、仕舞「羽衣」を披露した。

 尾道薪能実行委員会と尾道足利氏ゆかりの会が主催。この日は、能と狂言、仕舞の計6演目を披露。観客は、太鼓や笛の音に合わせた幻想的な演技を堪能していた。尾道市高須町、医師木村邦夫さん(67)は「かがり火に照らされた衣装がきれいだった。伝統的な舞を味わえた」と話していた。(中間卓也)

(2016年5月8日朝刊掲載)

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