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「はだしのゲン」忠実に 創作オペラ 広島で上演 原作者・中沢さんが助言

 創作オペラ「はだしのゲン」が21年ぶりに広島市で上演されるのを前に、漫画の原作者の中沢啓治さん(72)=中区=が練習を見守った。舞台では芸術監督も務めており、当時をより忠実に再現するためのアドバイスをした。

 病気療養の合間を縫って、10日に同区の練習会場を訪問。原爆が落とされた直後に主人公ゲンの妹友子が生まれるまでと、友子が亡くなるまでの全2幕を、うなずいたり身を乗り出したりしながら見入っていた。

 幕間には、総監督・演出を担当し、ゲンを演じる声楽家の紙谷加寿子さん(南区)の求めにも対応。「最初の場面でのゲンの父親は、国防色の仕事着がいい」「友子が生まれたところは、本当の戦争と原爆を見ておくように、という思いをこめて、友子を頭の上に持ち上げたらいい」などと指示していた。

 「アドバイスは的確。より忠実に再現したい」と紙谷さん。中沢さんは「当日が楽しみ」と話していた。

 オペラ「はだしのゲン」は、広島市では1981、91年に続き3度目の公演。今回は東日本大震災の被災者支援の意を込め、原爆孤児が強く生きようとする場面を新たに取り入れている。上演は中区のアステールプラザで24、25日。野薔薇座Tel090(7970)5539。(二井理江)

(2012年3月12日朝刊掲載)

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