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「対話し実態学ぶべき」 サーローさん 評価と注文 オバマ氏5・27ヒロシマへ

 カナダを拠点に広島での被爆体験について証言活動を続けるサーロー節子さんは10日、オバマ米大統領の広島訪問は勇気ある決断だと歓迎する一方で、米国の政策は核廃絶に向けた「実際の行動が伴っていない」と批判した。(ニューヨーク発 山本慶一朗)

 サーローさんは今月、ジュネーブの国連欧州本部で開かれている核軍縮に関する会合に出席。オバマ氏がプラハ演説で核なき世界の実現を唱えたのに、会合に米国が参加していないことを「被爆者として絶対に許せない」と話した。

 米国が核兵器の近代化に多額の予算を計上していることにも触れ、「オバマ氏は核戦略を演説とは全く逆方向に進めている」と語気を強めた。広島訪問では「原爆資料館だけではなく、生きている被爆者と話し、深刻な実態を学ぶべきだ」と注文。謝罪を求めはしないが「訪問後に自身で判断してほしい」と述べた。

(2016年5月12日朝刊掲載)

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