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受け入れ準備 急ぐ 広島市が本部設置 「完璧な警備」に総力 オバマ氏5・27ヒロシマへ

 オバマ米大統領の訪問が決まった広島市で11日、受け入れ準備が始まった。市は「米国大統領受入本部」を設置。広島県警も厳戒警備の対策室を構えた。被爆地の歴史的な日となる「5・27」に備える。

 市の本部は松井一実市長たち幹部11人で構成。11日の初会合で、27日のオバマ氏訪問に向け、国や在日米大使館と連携して準備を急ぐ方針を確認した。事務局に部長級2人を含む7人を配置。4月に市内であった外相会合の担当職員を主に充てた。

 平和記念公園(中区)では原爆資料館本館の敷地で進行中の発掘調査が中断。未調査の約300平方メートルを含む約1150平方メートルの埋め戻し作業が始まった。原爆慰霊碑の参道の延長線上にあるため、アスファルトで仮舗装する。27日に資料館や隣接の広島国際会議場の利用を予約していた団体のうち、2団体は行事を中止。3団体は園外の会場に変更したり日程を変えたりした。

 県警の警護警備対策室は約90人態勢。オバマ氏の27日の動きの情報収集や警備計画作りを始めた。当日は、近年で最大規模の約4300人の警備態勢を取った外相会合より警戒レベルを引き上げ、「完璧な上にも完璧な警備」に総力を挙げるとする。

 ただ、市役所で打ち合わせをした市と県警の担当者は、具体的な情報をほとんど持っていなかった。市の担当者は「演説するかどうかも定かでないらしく、情報が交錯している」と戸惑う。

 この日、湯崎英彦知事は「具体的な核軍縮に向け、米国としてさらなる一歩を踏み出してほしい」、松井市長は「核兵器のない世界へ、一歩でも二歩でも前進する決意を表明してもらいたい」とそれぞれ記者団に述べ、あらためて期待感を示した。

(2016年5月12日朝刊掲載)

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