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「有望地」地図提示へ 核のごみ最終処分 エネ庁など 松江シンポで方針

 経済産業省資源エネルギー庁と原子力発電環境整備機構(NUMO)は14日、原発の運転で発生する高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分をテーマにしたシンポジウムを松江市内で開いた。地下300メートル以上に埋める地層処分の条件がそろう「科学的有望地」について、適正の度合いで分類した地図を今年中に示す方針を説明した。

 約200人が参加。行政の担当者や住民団体の関係者計4人がパネリストとして登壇した。エネ庁電力・ガス事業部の多田明弘部長は、処分場候補地の選定作業を「昨年から国が前面に立って決める方針にしたが、地元の意見を十分に尊重する。国が指定するわけではない」と述べた。

 松江エネルギー研究会の福村敬香(たかこ)副代表は「島根が有望地となる可能性があるのか」と指摘。原子力安全研究協会の杤山修技術顧問は「火山や断層が近くにないなど、安全な場所を見つけるのが目標。どこが有望という選び方はしない」と応じた。

 討論後、参加者から「数万年かかるといわれる地層処分が安全にできるのか」「地図で示す以外にどのような対応をするのか」といった質問が出た。(秋吉正哉)

(2016年5月15日朝刊掲載)

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