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「平和の灯」劣化を調査 広島県コンクリート診断士会 市に結果報告へ

 広島県コンクリート診断士会(広島市中区、77人)は12日、平和記念公園(中区)にある「平和の灯(ともしび)」の劣化状況をボランティアで調べ始めた。3日間で内部のひび割れなどの状態を把握。結果を基に対策を盛り込んだ提案書をまとめ、8月末ごろまでに市へ提出する。

 初日は約25人が参加した。台座の鉄筋の状況を電磁波やエックス線の機器で計測。さらに、鉄筋の腐食などによってコンクリートが剝落しそうな箇所の有無を赤外線で調べた。13日には、小型無人機「ドローン」を飛ばして空中から計測するという。

 平和の灯は幅13メートル、奥行き8メートル、高さ3メートル。故丹下健三氏の設計で1964年8月1日に完成した。管理する市は、必要に応じて修復しているが、詳しい劣化状況は調べていない。同会は近年、ひび割れや汚れが目立つのを懸念し、放置すれば劣化が進むとして、今回の調査を市に提案した。

 鈴木智郎副会長(65)は「いわば、多分野の専門医による『人間ドック』。市が結果を役立ててくれれば」と話した。(森戸新士)

(2016年5月13日朝刊掲載)

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