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平和研所長に吉川氏 広島市立大 26日の理事会で決定

 広島市立大(安佐南区)は、付属機関である広島平和研究所(中区)の次期所長に、上智大外国語学部の吉川元(きっかわ・げん)教授(60)=安佐北区出身=を起用する方針を固めた。浅井基文前所長が任期満了の2010年度末に退任後、実質的に空席となっていた。

 市立大は26日の理事会で決定する。着任は13年4月になる見通しだ。

 吉川氏は上智大を卒業後、一橋大大学院博士課程単位取得退学。1982年に広島修道大講師となり、助教授、教授を務めた。神戸大大学院教授を経て07年から現職。

 専門は国際関係論、国際安全保障論。欧州安保協力機構(OSCE)を中心に、武力紛争の未然防止を目指す予防外交や平和構築などを研究してきた。

 市立大は4代目となる所長の選考委員会を設置。「核兵器廃絶の実現を世界に発信」「大学教育への参画」とする平和研の機能、役割に沿って人選を進めた。選考委は吉川氏の研究実績や大学での教育経験などを評価したとみられる。

 平和研は98年4月、国際的な平和研究と被爆地からの発信拠点を目指し市立大が開所した。初代所長に元国連事務次長の明石康氏が就任したが99年2月、東京都知事選への立候補のため辞任。後任の福井治弘氏が01年4月に就くまで学長が所長を兼務した。現在も浅田尚紀学長が所長を兼ねている。(城戸収、田中美千子)

(2012年3月23日朝刊掲載)

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